特に注意が必要な副作用
サイトカイン放出症候群
サイトカイン放出症候群は、特に注意が必要な副作用の一つです。
免疫系が異常に活性化し、サイトカインという物質が大量に放出されることで、さまざまな症状があらわれる可能性があります。お体の状態を確認するためにも、体温と血圧を定期的に測定することが大切です。
主な症状
- 発熱
- 寒気
- 呼吸が苦しい
- めまい、ふらつき
- 脈が早い、乱れる
- 血圧が高い

血球減少
血液を作るはたらきが弱まることで、白血球や赤血球、血小板等の数が少なくなる副作用です。
主な症状
- 鼻血
- 歯茎の出血
- あざができやすい
- めまい

感染症
血球減少により感染症にかかりやすくなることで、感染症を引き起こすことがあります。
主な症状
- 発熱
- だるい、疲れやすい
- 呼吸が苦しい
- 寒気
- 咳
- 息切れ

免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群
免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群とは、神経症状を発現する副作用のことをいいます。
原因は明らかになっていませんが、サイトカイン放出症候群で産生されたサイトカインが、中枢神経に作用することなどが考えられています。
症状によっては、ご本人が気づいて誰かに伝えることが難しい場合もあるので、ご家族をはじめとした周囲の方々にも注意していただく必要があります。
下記“免疫エフェクター細胞関連脳症スコア”の点数を算出して日々の変化を確認することも大切です。
主な症状
- 立ちくらみがする
- 力が入らない
- 言葉が出ない
- ふるえ
- けいれん
- 昼間に眠気が強い
- 読み書きができない
- 意識の低下
- 物忘れ

免疫エフェクター細胞関連脳症スコア
免疫エフェクター細胞関連脳症スコアは、免疫療法の薬剤の開発時に使用された神経毒性の評価方法です。
患者さんの変化を見逃さないために、この評価方法を参考にご確認ください。
以下に記載されているような症状があらわれたり、点数が下がったときは医療機関を受診してください。
チェック項目 | 点数 |
---|---|
現在の年、現在の月、現在お住まいの都市、病院名を言える | 4点 (各1点) |
物の名前を3つ言える(例:時計、ペン、ボタンなど) | 3点 (各1点) |
簡単な指示に従える(例:指を2本立ててくださいなど) | 1点 |
標準的な文章を書くことができる(例:今日は晴れです、など) | 1点 |
100から10ずつ引き算ができる | 1点 |
満点 | 10点 |
Lee DW et al.: Biol Blood Marrow Transplant 2019; 25: 625-638より改変
腫瘍崩壊症候群
腫瘍崩壊症候群は、治療により急速に崩壊したがん細胞の成分が、血液の中に大量に放出され、代謝が追い付かなくなり、心臓や腎臓、筋肉などに悪影響を及ぼす副作用です。
主な症状
- 脈が早い、乱れる
- 尿の量が少ない
- 吐き気
- 力が入らない
- けいれん
- しびれ

進行性多巣性白質脳症
進行性多巣性白質脳症は、治療によって免疫力が低下することで、元々潜んでいたJCウイルスが再活性化し、脳の白質という部位が異常をきたしてしまう副作用です。
主な症状
- けいれん
- 意識の低下
- 物忘れ
- 言葉が出ない

その他の副作用
- 注射部位の晴れや痛み、かゆみ
- 胃腸障害
など